2018/12/20

専門家向けメディア紹介「対象関係論の基礎」

精神分析学:上級以上向け

今回紹介する「対象関係論の基礎―クライニアン・クラシックス」はあまり入門者向けの本ではありません。そう言われると、読みたくなる人も、実力がつくまでとっておく人も、もし臨床学問として読まれるなら、ぜひ臨床実践をまがりなりにもできるようにしながら読むことをお勧めします。

精神分析的心理療法は、セッティングの中での治療者の姿勢論としてはともかく、臨床実践治療学だと思いますし、そのツールにするためのヒトの心の交流の動きを理解する学問だと思うからです。


【臨床Tips】献身と強い罪悪感:心理療法への入り口

あるケースとの入口での素描を書いてみます。いつもながら、大分改変しており、フィクションと言ってもよいかもしれません。

このケースでは躁うつ気質がありました。すごく一生懸命、真剣に、落ち着いた大人、しかもしっかりした専門性とその責任を担うことをやり続けている人でした。周囲にすごく尊敬されると言うよりは、少し控えめにみえ、でも年齢相応の自信はありそうでした。周囲に厳しくあたることはない人柄でもありました。

2018/12/16

前回のプチCBTについて講師より

アップするのが遅くなってしまいましたが、
11月に開催したプチCBT第一回目について講師の先生からのコメントが届きました。

2018/12/11

臨床心理士・公認心理師クリニック就職説明会のお知らせ

当院では引き続き、臨床心理士・公認心理師(候補生)の募集を行っています。
募集要項はこちら→

それに伴い、12月は毎週土曜日に当院の就職説明会を行います。
15日(土)16時~
22日(土)16時~
29日(土)16時~
いずれも場所は当院です。約45分程度を予定しています。

一通り説明をした後、ご希望の方には就職相談にも応じます(おひとり様1000円)。
当院だけでなく、どこの面接でも役立つようアドバイスします。
参加希望の方は、こちらのフォームよりお申込みください。


2018/12/09

当院のセミナーや求人のスタイル

これまで、色々な学生さんやリクルーターに接した経験から、当院では、求人活動やセミナーなどの研修制度を現在のところ細く長く行っています。

現在も、臨床心理士・公認心理師(候補)の方の非常勤職募集を継続中ですし、研修制度としてのプチセミナー各コースも、現在進行形です。

このブログでの各種タグから情報を御覧ください。(近日中に要項のマイナーバージョンアップとそのリンクを提供します)

*当院のセミナーやスーパービジョンは随時メンバーを募集していますが、定員がいっぱいになると締め切ります。ご検討・ご応募はお早めに。

*写真はスタッフによるものです。

プチセミナー:CBGT(グループ認知行動療法)シリーズのお知らせ

今月のプチセミナー:CBGTコースは以下のようになります。

まだ入り口のところですし、このコースも途中からも参加しやすく組んでいます。少し
臨床心理士・公認心理師で仕事の幅を広げたい方、それらの学生の方も歓迎します。


日時:12月22日(土)13:30~90分以内
参加費:3000円
場所:当クリニックにて
講師:宮地 啓吾 先生(臨床心理士、公認心理師)→講師概略
応募方法:下記のいずれかからご応募ください。
フォームでの申込
②メールでの申込
 petit★ykmc.jp(ご自身のメールアプリで入力する場合は、★には@マークを入れてください。)


*前回は、概略とグループのウォームアップとかアイスブレイクについて練習しました。当日のイントロ部分はこちら(音声)


*今回は専門的なグループ各種の特徴を解説!その後、SST的なグループの導入をちょこっと練習します。より高度なカウンセリングやグループを始める上で、こうした経験は強みになりますので。打ち合わせ風景はこちら(音声)


*コース全体の概要はこちら

*体験しながら、どういう話の拾い方が意見を引き出しやすいか、どうしたら参加者の注意をひきつけられるか、を考えてみましょう。普段とは違う立場になってみると、今までは意識しなかった「小さな気づき」があるかもしれません。当院のセミナーでは、この「小さな気づき」を積み重ねていくことを重視しています。決して大げさではないけれど、普段は意識しないがゆえに見過ごしてしまうこと。それに気づく意識を持つことで、患者さんとの関わりや自分の仕事のあり方や姿勢も自然と変わっていったりするものです。気づく内容はどんなことでも構わないと思います。そのうえで、気になることがあったら、講師たちに投げかけてみてください。

*第3回は、年明けの2019年1月19日開催予定

2018/11/15

現在行っていること

 
今取り組んでいるのは、音声による診療ガイダンス。公式HPには初診を考えたり、そもそもその前に戸惑っている方向けにFAQのページを設けたりしているけど、文章だとどうしても限界があって、でも動画で「はい、ど~も~!」というのもちがうし…と悩んだ末の苦肉の策。まだテスト段階で粗末なのですが、うちの心理士さん達にはまあ好評だったので、お試しにこちらに2つほど掲載してみることになりました。
以下、音声が出ます。音漏れにご注意ください。

 カウンセリングを受ける前カウンセリングと心理療法のちがい
う=ん、お恥ずかしい…

【こちらもどうぞ…】

2018/11/13

開催直前:CBTグループセミナー

今週末に近づいたプチCBTグループセミナー。あと数席空きがあります。折角の機会なので、ここからはTwitter(@YKMCProfession)でのDMやプチセミナーのメール(petit@ykmc.jp)での応募も開放いたします。みなさまどうぞご検討ください。

2018/11/11

リハビリグループなんかもやっています

先日行った「リハビリ前の振り返りグループ」。
意外に盛り上がったし、想像の域を出ないものにならなくてよかったです。
表向きのテーマは「復職を前にして緊張すること、心配なこと」な訳ですが、
そんな風に具体的なテーマで振り返っても、なかなか自分たちが気が付きにくいところはあるもの。

こうした時には初めにとっつきがよいテーマで軽く一巡した後、
その時みんなが話したことから、「意外な」心配の形を取り上げていきます。

たとえば、誰かが「自分は休み明けでみんなの中に行くと、少しうわずってのぼせてしまいそう…」と言えば、
次にみんなに「みなさんは仕事やそれ以外の場面でのぼせることはありますか?」と聞いてみます。
グループワークで一人ひとりの負担が少ない場合は、それなりに似たシチュエーションが浮かぶものですし、
誰かの発言からヒントを得て、ちょっとずれてても納得はできることを話してくれることが多いものです。
それに、スタッフが自分の暮らしや仕事に絡めて話すと、ほとんどのメンバーも一生懸命考えようとしてくれます。

何より大切なのは、各メンバーさん個人個人の治療の中で、
ここで彼らが話した事自体や、他の人が話したことをよりどころにして、
治療者が独自の切り口でフィードバックできること。
前の例では、「グループであなたは舞い上がらないと言っていたけど、結構張り切って話してましたよ」と言うチャンスがあったら、
意外な洞察が得られたりすることがあるんです。

*上記の例は全くのフィクションです。また、会の進行やフィードバックの仕方はトレーニングを十分積んだ臨床的発想とタイミング取り、倫理観が必要です。


写真は当院です

2018/11/01

11月から始まるYKMCプチセミナーのコースと概略

11月から始まるプチセミナーのコースとそれぞれの概略です。
スタートアップ期間で得られたことを踏まえ、
下記のようにメンバーを募集することにしました。

●募集対象
・臨床心理士、精神科医、心療内科医、精神医療看護師で、カウンセリング・心理療法を行おうと努めている方。
・または、その候補生(公認心理師受験資格者、臨床心理系大学院生、研修医、精神科・診療看護師など)

●方法
YKMC独自の心理援助技量レベルにより、以下の通り。

【プチグループCBTセミナー(プチCBT)(ごく初級~中級)】
開催日時:第1回11月17日(土)13:30~90分以内
※第2回は12月22日、第3回は2019年1月19日を予定しています。
参加費:3000円
場所:四ツ谷近辺
内容:現在、保険医療の適用もなされた認知行動療法は、強迫傾向の強い方や抑うつ的な性格傾向の方、発達障害的な人間関係の困難、あがり症の方など適応の広い治療法の一つです。その応用的方法として、グループを対象にしたものを身につけられる長期コース。ケースに日常の振り返りを促す方法を身に着けたり、そこから専門家として「考え方・思い込みのクセ」を拾い出す練習になります。

担当指導者は、数年間研修を積んだ臨床心理士が講師を務めます。もともと社会人経験が長く、その後大きな精神科病院勤務やスクールカウンセリングもいくつもこなしている男性です。患者さんをほぐすのがとてもうまいし、SCでは時々先生や親御さん向けに講演もしています。

※(11月8日追記)講師を務める臨床心理士の略歴が届きました。

宮地啓悟
臨床心理士/認知矯正療法士(統合失調症の認知機能リハビリテーション)/SST中級研修修了/心理臨床学会会員/
集団認知行動療法研究会会員
経歴:2002年立教大学大学院卒後、公益財団法人復光会 総武病院入職。2016年2月、四谷麹町メンタルクリニック入職。
過去のグループ経験:SST CBGT NEAR(認知機能リハビリテーショングループ)、看護職員・病院事務職職員のメンタルヘルスグループ(EAP)講師など

ワークショップの空席はまだありますが、満席になり次第締め切らせていただきます。

〈大まかなコース内容(予定)〉
・コース概略とグループの和ませ方
・グループセラピー一般について考える
・CBGTとは?
・リーダー、コリーダー、板書の役割と構造
・会の流れを作るコツ
・落とし所のポイント
・考え方のクセのパターンを知る
・自分のクセも知る
・実践での7コラム
・普段の生活について考える
・問題解決的アプローチ
・アサーションについて

一回一回は短時間ですが、時々総集編を企画いたします。

【プチコンサルト(ごく初級~初級向け)】
開催日時:随時(当院が可能な日程の中で希望日を選択できます)
所要時間:1セッション30~45分
参加費:2000円
場所:当院
対象:自信がない、恥ずかしくて皆の前では話しにくい、という方向けです。お一人でも受けられます。少し形が整ってきたら、グループでのプレゼンの仕方を助言したり、下記のプチCBTなどのコースの見学も可能です。

具体的には・・・
現在の職業の中でカウンセリングはできていないが、
いずれそれらをするためには日々の業務や学習にどのように取り組めばよいか?
いずれ医療や心理相談室に就職したいが、どのような考え方や経験を持つべきか?
今勤務している先で担当しているケースにどう対応すべきか?
自分が目指す展開と実際のケースに乖離があったらどうすればよいか?
難しいケースを傷つけず、なんとかマネージメントしたい、
など、心理臨床にまつわるちょっとした相談。これらの悩み、本当は心に引っかかってても日常の中ではついつい周囲に大丈夫そうな顔を向けてしまいませんか?

【プチスーパービジョン(初級~中級)】
開催日時:随時(当院が可能な日程の中で希望日を選択できます)
所要時間:1セッション30~45分
場所:当院
参加費:3000円
対象:プチコンサルトでは飽き足らない、もともとスーパービジョン(SV)を受ける経験から始めたい。でも料金が高い上、プレゼンの仕方をどうすればいいか戸惑っていて、有名な先生に申し込めないでいる・・・
そういった方に、いきなり本格を押し付けるのではなく、SVでの心構えからケース提示の仕方、バイザーに言われたことをどう消化して吸収していけばよいのか、少しずつお教えします。
SVは当院院長で、ビオン/ウィニコットなどの対象関係論に基づく研修を積んでいます。本格的なものだと厳しすぎる、理論や思索の深みをまだ臨床で用いるには至らない、そんなご意見から考えだしたものです。

なお、これ以外にも
●心理療法リプレイ(ごく初級~)
当院で行ったことのある心理療法を基にシナリオにして、当院臨床スタッフが恥ずかしながら再現いたします。
(守秘的要素については何重にも脚色しております。)

●個人スーパービジョン(上級者以上)
も企画進行中です。ご感心のある方は、YKMC専門家向けツイッターアカウントをフォローしてもらうと便利です。

(11月8日追記)症例検討などの講師は精神分析的精神療法医をしている当院院長が務めます。千葉大学卒業後、福岡で精神科救急の研修と精神分析的サイコセラピーの研修をはじめ、その後東京にて、森田療法やブリーフなグループのハンドリングを研修。処方なしのカウンセリング~重症な方の対応、家族への介入などを一貫した姿勢で行えるようなトレーニングを積んでいます。その後、精神科病院の診療部長やクリニックのディレクションをしています。
論文はありませんが、かつて何回か分析学会で発表したり、コルタートとボラスの翻訳に携わっております。
これらのコースは最近の心理職や学生の都合を考えて、ご希望に合わせて日時を設定できますので、ご検討ください。

★参加方法
こちらよりフォームをご記入いただくと参加希望を出せます。(現在、毎回参加希望を出していただいております。希望人数多数の場合は抽選。希望時間調整が必要なものは後日メールにてご相談となります。)

*なお、これらの会はプライベートなもので、現在医療か心理職での守秘義務を負っている方のみが参加できます。
*また、その性質上、録音・録画を禁止させていただいております。インターネット・SNSで会の主題や風景、進行の流れについての投稿は構いませんが、内容(ことにケースに関わること)の描写は禁止とさせていただきます。


※画像はスタッフからもらったものです

YKMCプチセミナーのスタートアップシーズンを終えて

10月にスタートアップシーズンを済ませた当セミナー。
11月からいよいよ正式開講いたします。

【スタートアップ中に分かったこととして…
全体的に
・みなさんとてもお忙しく、せっかくセミナーに感心を持っていただいたにも関わらず、日程調整が難しい。

ごく初級~初級者の方
・一番応募者が多かったです。
・発表やグループに慣れていない。自分の臨床内容、まとめ方、伝え方、プレゼンの仕方に自信がないし、緊張してしまう。身内以外の検討会などに参加して発表するのが不安、怖い。
・カウンセリングや心理療法を目指しているが、相応した職場に就けていないか、まだ専門家としてのスタンスがつかめない。
・多くの方は、学生時代に1~数例のカウンセリング実習はしていた。

中級者の方
・医療現場とそれ以外での仕事の仕方の違いを心配しすぎている傾向がある。
・せっかく医療現場に就いてもカウンセリングから専門的心理療法に向けてどのような経験を積めばよいのか指針がなく感じている。
・現実では中等~重症の患者の日常的サポートに追われている。
・カウンセリング/心理療法を始めて、学んだ技法を試そうとしたり、SVを受けているが、なかなか専門書や指導者のような実践にならない。

上級者の方
・here&nowの解釈に持っていこうとする姿は見られる。
・ケースの転移が進展した時、あまりに連想の展開がスピーディーで広くなるため、追いつかない感じがする。
アクティング・アウトが生じたときの現実マネジメントと心理的解釈のバランスが良くない(どちらかだけに頼る方が不安が軽く済むため)。

といった実情が伺えました。

そこで、プチセミナーの利点である「立ち寄りやすく、低価格、だけど重厚な内容」を活かしたまま正式開催するために、形式と内容を少し工夫してメンバーを募集することにしました。
詳しい内容については次の記事をご覧ください。



※画像はスタッフからもらったものです

2018/10/18

◇セミナー・補足(初級編)◇今の現場でできることを一生懸命こなしてみよう

 開始後1週間が経ち、一回りした感じがあるので、その中での所見と、それを基にした工夫を考えました。

 初級向けのセミナーは、みなさんの現場での悩みや不安を聞きながら、心理職としてのスタンスや姿勢を学べる場にしたいと考えています。座学のセミナーというよりはワークショップに近い形式です。
内容の詳細についてはこちらをご覧ください→https://ykmcpro.blogspot.com/2018/10/blog-post.html


 前回の投稿では所要時間30分程度とお伝えしていましたが、一回45分程度に落ち着きそうです。初めのうちは1時間くらいになったりもしますが、スタンスが掴めればスムーズに進んでいくと予想しています。初期は臨床の解説やスタンスの問い方などから始めていきます。

 希望の曜日がまちまちなので、曜日を増やしていこうと思います。その分、時々お休みをする予定です(予定は前もって早めにお知らせします)。また、曜日やレベルによってマンツーマンになる可能性もあります。

●セミナーの進め方
見立て→判断→何が適用になるか、どういうスタンスの療法が良いか、一般的カウンセリングや専門技術の判断をし、他の人に伝わりやすい形を組む練習をします。

〇ケースを持っている方
どんなケースを持っている方も、一部のケースの素描を5分程度話してもらう形になります。事前の準備などは特に必要なく、こういうことを相談したいというのを念頭に置いて参加してもらえれば大丈夫です。
〇ケースを持っていない方
→メール(petit★ykmc.jp、★→@)にてご相談ください。

※日によっては少人数の時もあります。
※入念な準備や原稿をまとめてくる必要はありません。

 これまで、ごく初級・初級の参加者にお会いした限りでは「心理職に就いてはいるものの、心理療法やカウンセリングをやる機会が少なく、福祉的業務や医療の補助的サポートが多い。医療者のアシスタントや現実的具体的なニーズの拾い出し、生活や暮らしのケアなどがメインで、専門的な業務がなかなかできない」という戸惑いや不安を持つ方が多いようです。

初級で重要なこと①
 心理療法やカウンセリングでまず重要なのは、クライエントが下記のどちらに当てはまるかを見極めることです。

1)クライエントの現状、長い将来を考えて、社会的な医療福祉サポートに頼る
2)本当の自活ができて医療福祉がいらなくなるまでに回復が見込める

 自活できる力を低く見積もった場合は簡単です。ですが、実際は1)だったのに2)と判断した場合は、クライエントが無理をすることになってしまいます。ヘトヘトにさせたり、病理的心理の人の場合はそれが行動化・症状化したり、混乱につながることもあります。この見極めを練習していかないと、のちのちクライエントの生活力が落ちていくのを見過ごしてしまいます。

 ベテランの先生でもシビアな見立てができず、20~30年間患者さんと会い続けるのはよく聞く例です。こういうパターンでは、転職や引っ越しなどで関わりが終わった後に、結果として医療や福祉が必要だったと周りが気づくことになります。その場その場で見立てをきちんと修正していかなければ、クライエントも夢を見てしまい、現実を踏まえられず、結局何も変わりません。

 そういう意味で、シビア、シリアスな見立てをいかにできるようになるかが重要です。厄介なのはこちらの希望的観測が強い場合(いつかよくなるのでは?と思いたくなる)や、こちらの自尊心でなかなかシビアな視点を持てない場合です。

初級で重要なこと②
 もう一点は、自分の今の職場で何ができるかを考えることです。心理療法・心理カウンセリングのプロフェッショナルになりたいのであれば、今任されている作業やルーチンワークを十分技量が高いと言われる状態に持っていくことです。誰から見ても熟練している人は、例えブランクが空いて不慣れな状態であっても、少し練習すれば簡単な処置はすぐにこなせるようになります。今の業務がつまらなくても、1~2年やって上達して、これだけできるというレベルに持っていければ、「こういう業務の時間を取ってもいいですか?」という提案や、他の職場への転職もしやすくなります。またそうした作業は、現実に触れる良い練習にもなるでしょう。

 キャリアの最初がどうだったかはあまり関係がなく、誠実にやり通せば生き残ることができます。周りの人たちを見ていても、いくつか仕事をやっていくうちにたまたま恵まれた環境に出会えたという時期があるようです。

 このセミナーは、そうやって心理職という仕事に向き合っていく上で、姿勢を学べる研修があれば自信になる、と思って始めました。自分の方向性が合っているかどうか不安になることもあるでしょうし、実際に私もそういう経験があります。スーパーヴィジョンでも、個々のケースのしっかりした相談はなかなか難しいものです。このセミナーが日々のふとした積み重ねをやるのに役立てば、と思っていますし、実際スタートしてみてそれで良いのだろうという実感も持っています。

2018/10/12

プチセミナーを企画した経緯

今回のセミナーを「プチ」と銘打ったのは、自分の研修時代や指導の中で挫折したり半端で終える方が多かったためです。研修には深刻で真剣な時間も必要ですし、莫大な時間とお金をかけて失敗する率も高く、語学教室並みかも。それで、構えてケース資料や予習を準備しなくてよいカタチにしたかったのです。

一回一回は費用と疲労が明日に響かない範囲ですが、少しずつ、でも着実に深みや実りが得られるよう考えています。初級者には対談や症例から小さいTipsや判断と技法が、中上級者は1面接を深く読み解く英国的な探究方法が身につくように、です。

2018/10/07

臨床心理インターン(有給)募集のお知らせ

この度、臨床心理職を目指している方のインターン(有給)も同時に募集開始します。
*当クリニックについては、公式サイト(http://www.ykmc.jp)を御覧ください。

《 こんな悩みはありませんか? 》
・先輩方の情報を聞くと、みんな大変そうで将来が心配
・カウンセリングをしたいがどうやって身に着けていくのか、目に見える情報が少なくて不安
・自分がどんな職業的適性をもち、何を目指したいのか分からなく感じるが、それを指し示す目安がない
・就活の時に履歴書や面接で何を示すとよいのか心配
・このままだと流れに乗るだけで、だましだまし感がぬぐえない

《 当院の臨床心理インターンの特徴 》
●インターンをしたいけど、その間バイトをしにくいことに配慮し、有給としました。
●昨今の学生や就活事情に合わせ、社会人・プロフェッショナルになる前の心配を減らせます。
●短期や見学だけでは分からない実際の現場感覚が得られます。
●期間や時間帯を各人の都合に合わせられます。
●心理の多様な職場向けの就活相談ができます。

《 募集対象者 》
現在、臨床心理系大学・大学院(公認心理師受験前提)に所属の方。

《 参加時間帯 》
月水   午後15時以降
火木金土 午前10時以降
*開始時間、終了時間は相談にて(学校の事情に合わせます。)
*水曜は休診ですが、完全予約診察をしています。

《 有給インターンの形態と内容 》
・アルバイト形式
・勤務毎にオリエンテーション
・自己紹介からインテーク、問診までの練習を月2回程度行えます。
・当院のセミナーに優先参加可能
・業務内容は他の一般学生と同じ内容(受付や医療運営事務、研究や臨床企画の補佐などの一部)
・業務負荷は一般アルバイトの6割
・就活進路相談
*学校の制約が厳しすぎる場合は応相談。現実に即して判断します。

《 時給・交通費 》
時給1000円~(技量が高ければ昇給もします)
交通費:往復1000円まで支給
*指導料などは不要です。

《 開始日・頻度・期間 》
開始日:随時応相談
頻度:月2回~8回程度
期間:十分成果を得るには数か月が望ましいですが、ご事情により相談可能

《 募集人数 》
一時期に2人まで
* 継続的に行いますので、キャパは十分あります。

《 応募、審査の方法 》
・まずはメールにて、採用担当宛にご応募ください。
  メールアドレス:recruit@ykmc.jp
メール記載事項
  タイトル:インターン応募
  本文:
    お名前
    所属大学(院)名と学科名、学年
    ご住所(町名までで結構です)
    目安となる参加希望曜日や時間帯、頻度、期間

・審査方法
応募メールでの参加日程審査:1週間以内にメールにてご連絡します。
  参加希望日程が合う場合、面接日程のすり合わせをいたします。
  参加希望日程が合わない場合はその旨ご連絡します。その場合、後日改めてメール応募いただいても構いません。(何らかの通知方法を検討中です。)
  面接時の持ち物:
    学生証
    履歴書(写真なし可)
*ご質問記載は構いませんが、全員に不公平にならないよう、サイトにてFAQの形で掲載します。

四谷麹町メンタルクリニック
インターン企画委員
クリニック公式サイト www.ykmc.jp
専門情報Twitter @YKMCProfession
専門家向けブログ:ykmcpro.blogspot.com

プチセミナーが本格開講します(スタートアップキャンペーンも実施)!!

 当院では、公認心理師や心理療法家になる方向けに、レベル別のプチセミナーを開講してまいります。気軽に参加でき、少しずつ実地に役立つよう組みました。

 先日初回を終えて、まずは以下のようにセミナーの日程を組むことにしました。人数的には十分ゆとりがあるので、ご検討の参考になさってください。10月中はいつからでも参加可能です。また、11月以降はコースを増やす予定です。ご関心がある方は、専門家向けツイッター(@YKMCProfession)のフォローをお願いします。

 1回のセッションは30分です。短く感じるかもしれませんが、無理なく少しずつ継続していきましょう。

《こんな方におすすめです》
初級レベル前後
・プロになった(なる)が、実際どのような職業姿勢を持てばいいか分からない ・日々のケースが福祉的・ビジネス的・司法的対応ばかりで心理職としてのアイデンティティーがつかめない ・アセスメントやフォーミュレーションが大事というが、プロになって数年経っても、まだ指導者やスーパーバイザー頼みで先行きが不安 中級レベル前後 ・Cl.が怒ったり、不安定にならないか内申構えてしまい、なかなか自信を持って踏み込めない ・Cl.の不穏や危機への介入やマネジメントがうまくいかない ・カウンセリングは始められるようになったが、なんとなくしりすぼみで終わることが多い。 上級レベル前後 ・傾聴まではできるようになった。CBTなどの明確な手法や精神分析のような転移状況を扱う手法も研修した。でも、現実のセッションではうまく使えていない気がする。

*レベル分けは、当院独自のものです。詳しくはこの記事の最下段をご参照ください。

《設定曜日・開始時間》
曜日・時間・対象レベルテーマ・内容
月・午後8時~
(10月15日~順次)

初級まで
「まずは心理臨床の現実実践について」

 方法や心構えについて、講義や相談をします。フォーミュレーションの意義と臨床での使い方、どんなふうにケースを続ければよいか?、話が行き詰まったらどうする?、患者へのヒントを見つけ伝えてみる、身体状態・生活アドバイス・心理的アドバイスを区別していますか?、症例提示の練習を試用、など。
水・午後7時~
(10月10日~順次)

中級前後
「グループスーパービジョンを受けてみよう」

 面接が続くようになって、次に悩むのは、何回も続く話の中でクライエントに示す考えがこれでよいのか自信が持ちにくいことです。理論や症例検討で、スーパーバイザーの言うことは分かるし、場合によってはみな褒めてもくれるけど、なぜこのケースは通い続けるのだろう?なぜクライエントの生活が変わらないように見えるのだろう?途中で来なくなる人は何を気にしたのだろう?といったことです。
 これらは日々の暮らしの中で流れてしまいがちなことですが、それこそが、上級に踏みこむための重大なテーマだと思います。当セミナーは短いグループの形式ですが、自分自身とクライエントにとって本当に役立つきっかけが掴めると思います(学派によらず、毎回1セッションずつ報告してもらう形式です)
土・午後3時~
(隔週・診療日、
 10月13日~順次)

初級・中級
「技法を学び、語ろう」

 隔週ですが、認知行動療法や精神分析療法の技法・理論について講義をしたり、時にはグループセッションの持ち方を練習します。
*曜日や時間、コースとご自分のレベルが合わないと感じた方はご相談ください!スタートアップ期間中は、その他の時間帯の準備も進めています。
上級者の方については、十分実力と経験が伴っている方には当面別途にスーパービジョンを行うことにし、それ以外の方は上記セッションに振り分けることになりました。そのため、上級以上のコースをご希望の方は、メールにて別途ご相談ください。(基本的には、精神分析的精神療法のSVとなります。)

《講師》
院長(精神分析学会認定医、グループ療法や森田療法の実践経験)および所属心理士(認知行動療法家)

《場所》
当クリニック内
→公式サイトhttp://wwwykmc.jp/のアクセスページをご覧ください。

《会費》
10月中 スタートアップキャンペーン価格 1回お一人2000円(窓口支払・現金のみ)
※11月以降は各回3000円となります。

《応募方法》
メールにてお願いいたします。
petit@ykmc.jp

・記載内容
タイトル:セミナー申し込み
本文:
お名前
希望曜日(自分のレベルが分からない、曜日とコースが合わないとお感じの場合はその旨も添えていただいて構いません。)
所属先名(学生の方は学科名まで、無所属の方は臨床心理士最新更新年月日)
*有臨床資格者の方は、資格名を記載願います。
あなたのメールアドレス

※(参考)当院での心理臨床家レベル分け概略
・ごく初級:現場にまだ立っていない。問診を取ったり、軽く調子や経過を見るのもまだ自信がない。
・初級:アセスメント、フォーミュレーション、セラピー導入やマネジメントに自信がない。
・中級:傾聴的なカウンセリングを長期間続けたい。認知行動療法などの形式に則ったセラピーを始めたい。受け止めるだけでなく、指導や指示、示唆とのバランスを考えている。セラピーは続くが、患者やクライエントの生活力がもっと向上するようにしたい。
・上級:認知の歪みだけでなく、心理力動の理解や転移を客観的には理解できる。学会発表や論文を書いたことがある。一定のセラピー技法は身についている。here & nowの解釈をしたことがある。
・それ以上…:here & nowの転移理解を解釈できるが、どうしても理論のフレームワークに頼りがち。自分のオリジナリティを論文にしたい。

2018/10/06

非常勤 公認心理師(候補生)募集のお知らせ

この度、当院では公認心理師(候補)を募集することになりました!

《こんな悩みはありませんか?》
・収入が安定しない
・週1日の仕事をいくつもしていて経験が断片的
・じっくりしたカウンセリングを練習したい

《当院の特色》
●心理サポートを現実的に行っています。(自立した生活に戻れるか障害者福祉に頼る方向性かを判断し、方針を立てています。)
●病院、学校、福祉施設、司法業務など、どこへいっても通用する職業姿勢を身につけられます。
●問診や一般カウンセリングからはじめ、臨床家の判断力を養い、CBTや転移を扱う心理療法を身につけられます。
●勤務時間の一部で受付やアシスタント業務をしてもらうことで、安定した収入を得やすくしています。
●院内でのセミナーや個別指導を優先的に受けられます。

《 募集対象者 》
*当院では、心理臨床の技量に基づき心理職のランクを定めています。また、社会責任能力により同一レベル内でも昇給があります。詳しくは下方のレベル目安一覧表をご覧ください。
*初級および上級を目指す方、それぞれに分けて採用を行います(中級の応募はありません)。
*どのレベルで応募するか履歴書に記載してください。
当院でのレベル応募時の資格、社会的立場
(下記のいずれかの方)
経験時給勤務日数
ごく初級~初級・臨床系心理学科大学院卒業(見込み)者で、公認心理師受験準備中の方。
・臨床心理士で既に公認心理師の受験が完了している方か、準備中の方
・看護師で既に公認心理師の受験を終えている方
・臨床経験はなくても構いません。1300~
2000円強※
下記の空きコマのうち、
週に2コマ~4コマ
上級以上・臨床心理士の資格を持っていて、既に公認心理士の受験を終えている方・当院でのレベルの目安に相当する心理臨床経験。
推奨:医療現場での臨床経験
1800~
5000円※
下記の空きコマのうち、
週に2コマ~4コマ
※時給は社会人としての責任能力、心理職能技量により決定します。

《 心理臨床の空きコマ状況》
診療日の 10~20時の中で、クリニックの空き時間とみなさんの都合の合う日程を組みます。
10-13時
×
15-19時
×
※水曜は休診ですが、完全予約で臨床をしています。

《 勤務形態 》
・非常勤アルバイト

《 業務内容 》
・休職患者の療養とリハビリのサポート
・学生や社会人の危機状態への心理的サポート
・認知行動療法(グループ、個人)
・精神分析的心理療法
※受付や運営事務をして頂くことで収入を担保しています。

《 交通費 》
往復1000円迄支給

《 勤務開始日 》
随時:審査時に希望やご事情を伺います。

《 募集人数 》
・初級・上級:合わせて2名まで

《 提出書類 》
・履歴書(写真不要):高校以降の学歴、職歴、各職場での業務的立場、用いた資格。往復交通費。勤務可能な曜日と時間(そのうち、希望したい日時)。
・公認心理師認定試験を受ける資格を示す書類のコピー
(例:公認心理師合格証、認定証、受験票など受験資格を示すもの。臨床心理士認定証。臨床心理系大学院に所属を示す学生証や卒業証書など。
・写真付き身分証明のコピー
・(上級志願者のみ)なるべく最新、なるべく長く続いたケースで、一番自信があるセッションの逐語記録(施設の問題でセッションレポートを提出できない方は今回は応募できません)

《 審査手順 》
・一次審査:書類審査
上記書類をそろえ、下記宛に郵送またはメールで送付すること。
郵送の場合:簡易書留で送付(コンビニで買える赤のレターパック可)
メールの場合:アドレスrecruit★ykmc.jpに送付(★→@に変えてください)。
件名を「心理士応募」と記載すること。
審査書類が届きましたら3診療日中に一度メールを差し上げます。

・二次審査:面接選考(シンキングタイム含め約1時間)
・心理面接を行ったことがある方は、研修であれ、医療以外の場面であれ、最新の1年間のうちで、最も自信がある患者とのやりとりを10分程度で提示していただきます。
・心理臨床を行っている(行おうとしている)自分のあり方について当日問いかけをします(シンキングタイムが10分以上あります)

《 書類の送付先 》
四谷麹町メンタルクリニック
採用担当委員
〒102-0083 東京都千代田区麹町6-4-17 麹町ブライトンビル3F
電話番号:03★3263★0723

《 お問い合せ 》
個別のお問い合わせ・質問にはお答えできませんが、誰にとっても気になる質問に関しては、下記SNS・ブログにてFAQとして順次お伝えしていきます。

クリニック公式サイト www.ykmc.jp
専門情報Twitter @YKMCProfession
専門家向けブログ:ykmcpro.blogspot.com

※(参考)当院での心理臨床家レベル分け概略
・ごく初級:現場にまだ立っていない。問診を取ったり、軽く調子や経過を見るのもまだ自信がない。
・初級:アセスメント、フォーミュレーション、セラピー導入やマネジメントに自信がない。
・中級:傾聴的なカウンセリングを長期間続けたい。認知行動療法などの形式に則ったセラピーを始めたい。受け止めるだけでなく、指導や指示、示唆とのバランスを考えている。セラピーは続くが、患者やクライエントの生活力がもっと向上するようにしたい。
・上級:認知の歪みだけでなく、心理力動の理解や転移を客観的には理解できる。学会発表や論文を書いたことがある。一定のセラピー技法は身についている。here & nowの解釈をしたことがある。
・それ以上…:here & nowの転移理解を解釈できるが、どうしても理論のフレームワークに頼りがち。自分のオリジナリティを論文にしたい。

2018/09/23

臨床レベル別プチセミナー開講のお知らせ ~初級者から超上級者まで~

 四谷麹町メンタルクリニックでは、公認心理師や心理療法家になる方向けに、レベル別のプチ・セミナーを開講してまいります。気軽に参加でき、少しずつ実地に役立つよう組みました。 このページやTwitter(@YKMCProfession)に情報をアップしますのでご覧ください。
●セミナーの内容
(コース全体のレベル別概略は最下欄に掲載)

 これまでセミナーを2シーズン行ってきた経験から、多くの方が実際の臨床の中で「勉強や聴講はしたが、自分ではどうしていいか悩む」との気持ちを抱えていることが分かりました。
 これらを踏まえ、初回は参加にあたっての説明と、みなさんから挙がった疑問や質問に対する解説をメインに進めます。いわば導入前の準備会です(全レベル対象となります)。
 特に今回は、認知行動療法的グループの体験会の進め方の説明も行いますのでふるってご参加ください。
* 1回のセッションは30分~1時間です。 *どんな会か気になる方には、今後数回同様の機会を設定しますので、ご検討ください。 ●講師 院長および所属心理士 ●参加可能者 現在、臨床心理士・精神科医師である方、もしくは、臨床心理系大学、大学院、医学部に所属の学生。 ●日程 今回は、9月29日(土)15時~1時間程度。 (応募者多数の場合は、複数セッションにしたり、後日再設定します。) ●場所 当クリニック内 →公式サイト http://wwwykmc.jp/ のアクセスページをご覧ください。 ●会費 2000円 ●応募方法 メールにてお願いいたします。 petit@ykmc.jp
<記載内容>
タイトル:初回グループ 本文: お名前 所属先名(学生の方は学科名まで、無所属の方は臨床心理士最新更新年月日) あなたのメールアドレス






(*写真は実際の臨床の一場面です。)





※参考:プチ・セミナー レベル分け概略
・ごく初級 現場にまだ立っていない。問診や簡単に調子や経過を見るのもまだ自信がない ・初級 アセスメント、フォーミュレーション、セラピー導入やマネジメントに自信がない。 ・中級者 傾聴的なカウンセリングを長期間続けられない。認知行動療法などの形式に則ったセラピーに自信がない。受け止めるだけでなく、指導や指示、示唆をどうまじえてよいかわからない。セラピーは続くが、患者やクライエントの生活力の向上に至らない。 ・上級者 心理力動の理解や転移を客観的には理解できる。学会発表や論文を書いたことがある。自由連想法をしてみたいが導入法に不慣れ。here & nowで解釈するのはまだ苦手。
・それ以上… here & nowの転移理解を解釈できるが、どうしても理論のフレームワークに頼りがち。自分のオリジナリティを論文にしたい。

(企画・運営:プチセミナー実行委員 assisted by Crieta, YKMC)